タイトル その科学が成功を決める
自己啓発書が間違っている理由、分かりますか?
巷に溢れる自己啓発を科学的調査から徹底検証したのが、この本です。
心理学の研究論文(世界的に有名な科学雑誌「ネイチャー」など)をもとに、数百の行動学の研究結果を集めて書かれています。
つまり、科学的に証明されている説得力のある本である。
さあ、人生を改善する方法を身につけましょう!
こんな人におすすめ
自己啓発書を読んでも、望んだ結果にならなかった人
この本では、巷に溢れる自己啓発の方法を実際に試し、効果がないことを証明している。
それをもとに、科学的根拠がある新しい方法が書かれています。
その方法をこの本から学んで、今度こそ望んだ結果を得るための行動を起こそう!
おすすめ度 ★★★★★
読みやすさ ★★★★☆
読み終えるまでの時間 4時間
本の内容
10個のテーマを通じて、数分で簡単に行える人生を改善する方法が書かれている。
各章ごとに、なぜこれまでの方法が間違っているのかを説明し、実際に効果のある手っ取り早い方法を科学的根拠をもとに紹介するという内容。
具体的な実践計画や自己診断用のチェックリストやテストも添えられています。
この本にそのまま書いて、実践できちゃいます!
筆者が参考にした論文は、世界的に有名な科学雑誌「ネイチャー」や「サイエンス」
科学的根拠もバッチリだ。
今回は、10個のうち2つのテーマを取り上げたいと思う。
この本で学べること
◆ 自己啓発書に騙されない正しいやり方
◆ 人生を改善する方法
自己啓発はあなたを不幸にする?
嫌なことがあったとき、人に相談しても気持ちは晴れない
よく自己啓発書に書かれていることで、嫌なことは外に吐き出した方がいいと言われる。
これ自体は正しいが、「話す」という方法が間違っている。
正しいやり方は、文章を書くこと。つまり日記を書くことだ。
話すこと自体が間違っている!
2005年のベルギーのルーヴァン大学での実験。
被験者に「最も精神的に苦痛だったことで、人に話す必要を感じるできごと」を選んでもらった。半数の被験者には、その辛いできごとを話してもらい、もう半数にはごく普通の典型的な1日について話すように頼んだ。
1週間後と2ヶ月後に、全員が集められ、自分が感じる幸福感についてアンケートを取った。
結果は、両方の幸福感について結果は大差なかったのだ。
書くことが正しい!
ある実験では、解雇されたばかりの人に、解雇が自分にどう影響するのか本音を書くように頼んだ。書き出すことで、被験者は心理面でも肉体面でも大いにに元気づけられ、幸福感が増した。
ではなぜ話すことがダメで、書くことが良いのか?
話すことは、とりとめがなく、あちこちに意識が飛んだり、混乱を生む。
しかし、文章は道筋と構成があり、解決に向かわせるための手段だから。
文章はじっくり考えて書くことができるが、人に話す時は反射的に話してしまうためだ。
嫌なことを吹き飛ばす、正しいやり方
1週間のうち5日間、毎日違うテーマで日記を書く。
◆ 月曜 ー 3行の感謝日記
◆ 火曜 ー 人生で最高の体験を思い出して書く
◆ 水曜 ー 自分の将来について、すべてうまくいったと想像して書く
◆ 木曜 ー 自分に欠かせない、大切なことを書く
◆ 金曜 ー その週の7日間を振り返って、うまくいった3つのことを書く
1つ1つに時間をかけず、サラッと書くことが大切です。
イメージトレーニングは逆効果?
自分が成功しているところを想像すれば、それが実現します!
みたいな自己啓発書がありますが、これは間違っています。
ペンシルヴェニア大学での実験を例にする。
ダイエットにおいて、減量プログラムに参加する肥満体の女性グループを観察した。
プログラム中、女性たちにはさまざまな食事の場面を思い描くように指示する。
参加者の想像はプラスのイメージ(私はちゃんと自制して、ケーキに手を出さない!)からマイナスなイメージ(私はすぐに他人の分まで食べてしまう…)にまで分かれた。
1年間の追跡調査の結果、マイナスのイメージを持った人の方が、プラスのイメージを持った人より、平均11.8キロ減量に成功していた。
なぜプラスイメージを持つとダメなのか
素晴らしい人生だけを思い浮かべると、途中で遭遇する挫折に対して、具体的な準備ができないから。現実逃避してしまうのです。
そこで正しいやり方は、プラスイメージとマイナスイメージの2つをイメージする「2重思考」
6つのステップをこなすだけだ。
2重思考のやり方
①自分が達成したい目標を考える
②達成した時の最高のメリットを2つ考える
③目標達成の過程での困難を2つ考える
④メリットで、自分の生活がどれほど楽しくなるのか細かく具体的に考える
⑤困難には、どう対処するのか細かく具体的に考える
⑥もう1つの④と⑤を考える
筆者情報
著者:リチャード・ワイズマン
英国ハートフォードシャー大学教授(心理学) マジシャンとして活躍後、ロンドン大学を卒業。超常体験、超自然現象を疑問視する研究でも国際的に有名。
まとめ
正直に言って、この本は誰にでも読んでほしい必読書だ。
何よりもすぐに実行できる方法のみに焦点を当てているのが素晴らしいと思う。
この他にも、膨大な信頼できる研究結果がこの本には示されている。
全部はとても紹介仕切れないが、抜粋で紹介!
キッチンに鏡をおけば、32%人が健康によくない食品を避ける
面接で、自分の弱点を先に話した方が採用の確率が上がった
これら2つも根拠があり、説得力があります。
最後ですが、この本を早く読んでおけばよかったと思ってます。
目から鱗な方法がたくさんありますので、ぜひ試してみてください!
タイトル 「その科学が成功を決める」
〜引用〜
人の幸福感のおよそ50%が遺伝で決まっていて、変えることはできない。
10%は環境、残りの40%は日常的な行動や、身の回りの人たちをどう受け止めるかによって変わってくる〜感想〜
控えめに言って、この本は必読です!付箋の量がその証拠。#読書 pic.twitter.com/Jplu8nC0k1— ひろ@書評ブロガー (@Illahhi) 2018年6月30日